クリエーター大国 その8

昨日からの 久保利委員からの質問は 更に続きます。

○丸山参考人 よろしいですか。それでも、まだ弱いですか。

○久保利委員 いや、弱いというのではなくて、そういうことなのかもしれませんけれども、そのことと、逆に言いますと、大半の曲はついにトレンドセッターから評価されずに終わるわけです。しかし、ある人たちは、トレンドセッターは評価しないけれども、私は好きだというのはあり得て、その人たちは結局、今の話だと、売れているから買うという人がCDを買うんだとすると、その人は結局、ただで録音をした、それを繰り返し聞くだけで満足をしてしまうと、売れない曲というのは永久にCDとか有料化することによってメリットを得ることはあり得ない。
 したがって、常に売れ筋というのをつくり出す、あるいは誰かがそれに目を止めるための、言わば販促手段としてインターネットというのはあって、ここからはついに、金は入ってこない。そういう手段というのが、今までのテレビの主題歌というものとは別に、もう一つルートはできたけれどもということにすぎないのでしょうかという質問なんです。


○丸山参考人 すぎないと言われてしまえばすぎないという、その程度のことしか私はやっていないんですけれども、基本的にはインターネットという部分では、聞こうと思うのであれば聞くことが可能であるということです。ですから、今、ユーザーはその手段を奪われているわけで、唯一あるとすれば、タワーとか外資系の大きいレコード店のレコード売場に試聴機があるので、あそこにへばりついて聞くという、皆さん、そんな体力と時間はお持ちですかということで、それを自宅の中で可能になるということは、多分、ロングテールの下の方にいる人たちにとってはチャンスだろう。
 私は、この部分で言えば、それぞれの人のビジネスを考えていますから、アルバムすべてをそこのところに落としなさいと言っているわけではなくて、3曲までで止めておきなさいというふうにしていますから、そのうちの、結局はあらゆる音楽というのはアーティストの代表曲を聞いて、それが気に入ったらばアルバムを買うという、現在の消費者の傾向から言えばそういうことになるわけですから、そういう形を取るのが、今の段階では多分いいだろう。
だけれども、このビジネスモデルが、こんなものはビジネスモデルではないと随分多くのアナリストや何かに言われるんですけれども、こういう仕組みというのが未来永劫続くとは金輪際思っていなくて、多分、4〜5年の部分だろう。また新しい方法が出てくるだろうと思います。

 こういうデジタルといいますか、こういう時代というのがいろんな方法がいろんなやり方で出てくるので、一つのやり方というのが、今までのビジネスというのは30年サイクルぐらいあったわけですけれども、多分、それの6分の1ぐらいにしかならないだろう。
それで、時代を過ぎたら潔く撤退して、次の新しいものを考えるべき。こういう時代に入っているんだろうと思っています。

○久保利委員 わかりました。

(続く)