ゆっくり動く時代

人間は昔のことをすぐ忘れてしまいます。 私も例外ではありません。
このブログを書きながら 子供時代からチョット前までのことを 無理やり思いだしてみると
いろんなことが 突然姿をあらわしたり、その頃全然関係ないと思っていたことが 結びついたりして、
「あの事の意味」は 「こういうことだったのだ。」 などと 今頃わかったり、納得したりしています。(笑)

一方で 私は 「最近の音楽は 面白くネーナー!」 と感じているので、どうしてなのかを考えています。
結論は 「新しい楽器や技術 が登場しないと 新しい音楽は出なくなる。」 という 平凡な答えを得ただけです。(笑)
でも「このこと」は なにも「音楽の世界」に限ったことではないのではないか? と考えはひろがります
自分は そのように考えているが、 他の人は どのように考えているのだろうか? と気になって
政府がまとめている 「イノベーション25」 をみてみると、 権威ある委員の皆さんはやたら前向きに
議論をなさっているけれど、「まぁ、どうってことはない!」ということがわかりました。

つまり 「画期的な技術革新 は 生まれそうにない」。 です。
もちろん いまある技術は もっと 洗練され 高度になることは 間違いありませんが 進化する技術から
私たちが受けるインパクトは もうそれほど 大きなものではないと おもうのです。

昨日書いたように 1960年代にTV, 新幹線, 高速道路, といったインフラがつくられ、
そのインフラの上に 新しい技術を使った製品やサービスやソフトが続々と開発されました。
今振り返ってみると TV、 新幹線、 高速道路、 といった技術は アナログ技術の最先端でした。
70年代は この最先端技術が 高度に 発展した時期だったのです。
このころ出てきた商品のすべてが 私たちに わくわくするような 興奮をあたえてくれた記憶が のこっています。

ところが  そんな時代は長くは続かず 急激に 技術は デジタルの時代に 移行しました。
80年代 初めに 音楽業界も デジタル技術に 直面しました。
 YMOから始まった コンピューター音楽 や CDという デジタル技術 が 音楽世界にも入ってきました。

 その当時 音楽という分野だけでなく これほど広範囲の分野に  アナログから デジタルに あらゆるものが 切り替わるなどとは 想像もしていませんでした。 
その上に デジタルでなければ 実現しない 新しい商品も つぎつぎに 登場しました。
そんな数多くの 新しい物を 受け入れるのに とても忙しい 27年 だったような 気がします。

今、私達は 「世の中の変化が激しすぎる。」と悲鳴をあげています。
こんな状況は ここ48年のことです。(12歳の小学生がTVで皇太子の祝賀パレードを見はじめた年から起算しています。)
悲鳴をあげているのは、世の中の変化がゆっくりしていた時代を知っている 私より上の世代だけ かもしれません。
「団魂の世代」 以降の人達は 今のような急激な変化が 常態である時代しか しりませんから 平気なのかもしれません。 いや、むしろ 楽しんでいるのかもしれません。

でも 私の予想は これからは いままでのような急激な変化をしなくなるだろう というものです。
で、そうなると 若い人達は 世の中の変化のスピードが ゆっくり になったら どのように対処するのだろうか? というのが 私のイジワルな興味なのです。(笑)

ゆっくり動く時代は どんな 世界なのだろう と ウダウダ 考えてみようと思っています。