ゆっくり動く時代 5

「60年代末の大学紛争は何だったのか?」 は 私の片寄った立場からみると、理由は簡単で、いろいろ要因が複合していたのでしょうが、大学生になった「団塊の世代」が 「何で昔の あるいは 過去のことをまなばなければならないのか?」 を理解できなかっただけ、だったと思うのです。(笑)
団塊の世代」は 激しい受験戦争を耐えて、大学に入学したら 役に立つことを教えてもらえると思っていたのでしょう。
彼等にとって「役に立つ」という意味は「新しい事」「最新の知識」という意味だったと思います。
彼等の目指すモデルはTV番組で見てあこがれている 日本よりはるかに物質的に豊かなアメリカですから アメリカに追いつくための方法を教えてもらいたかったのでしょう。
団塊の世代」は世の中がどんどん変わっていることを実感しています。
彼等が子供の頃と 大学生になった時期とを比べてみても、明らかに日本は豊かになっていました。
そんな状況は アメリカの最新の技術や文化を急速に採り入れたからでと彼等は思ってました。
今よりも さらに豊かになるために、最新の知識や技術を学びたいと思っていたに違いありません。
TVを見て育った彼等は 「最新の知識は 大人より自分達子供の方が持っている。大人より自分達の方が秀でている。 自分達の方が上だ。」 と密かに考えていた筈ですから、大学で最新知識を手に入れて、社会に出ていき 旧い、ダサイ 大人を蹴散らそうと自信満々だったに違いありません。(笑)
ところが大学の講義を受けてみて ガクゼンとします。 授業の内容は「最新」どころかメチャクチャ「古い事」ばかりです。
どの教授の教科書も10年とか15年同じで、改訂もされていないことを知って、不満が爆発します。 やってられない!
そして 大学紛争に突入!です。
私と 「団塊の世代」とは6才しか差がありません。 その上 私は2年も浪人しましたから、学年としては たった4年違いですが、私達の世代は子供の時に、アメリカ制作のホームドラマを見ていませんから、「団塊の世代」のように「アメリカ大好き!」となってはいません。(続く)