温故知新 1
温故知新(おんこちしん)という四字熟語があります。
「昔のことを研究して、そこから新しい知識や道理を見つけ出すこと」という意味であることは皆さんよくご存知のとおりですが、「新しいものが出てこなくなったら、昔のことを研究してみる。」と私は勝手に解釈してしまいます。(笑)
そんな理由で、種々雑多な 昔のことを書いてある「本」を読み始めたのですが、内容が過去の事柄ですから、やたら年号がでてきます。
これまでは年号がでてきても「最近」「戦後」「戦前」「明治時代」「幕末」といった大雑把なくくりで読んでいたのですが、「団塊の世代」を研究(?)しはじめてからは「世代を意識する」には かなり厳密に事柄と年令と年号を付き合わせなくてはならなくなったので、「日本史年表」を買い求めました。
「年表」を手にとるのは、当然大学受験以来はじめてです。 約50年振りということになります。私の記憶では 大学受験の時に使っていた「年表」は山川出版のものだったのですが、「本屋」には在庫がなく、やむをえず吉川弘文館の「年表」が 今手許にあります。
高校生の時から「年表」を見るのが好きなほうでしたが、「大学受験」が目の前にあったのですから、そうそう楽しんでいたわけではありません。 でも今回は 義務でも仕事でもありませんから、毎日チョコチョコながめて楽しんでいるのですが、次第に興味が深くなってきてます。(笑)
今の若い人には、わかりにくいと思いますが、昔の家というのは基本的には畳部屋で構成されていました。畳表(たたみおもて)と縁(へり)が擦り減るので2〜3年に1回は畳替え(たたみがえ)をします。
畳は基礎の上に造られた板張りの上に敷きつめるのですが、普通は板張りの上に古新聞を一面に敷いた上に畳を載せます。
古新聞を全体に敷くのは、床下から吹き上げて、板張りの隙間から吹き上げてくる細かなほこりを防ぐという工夫でしたが、もうひとつの理由は新聞の印刷インクが害虫を防ぐという工夫だと教えられました。
そんなことはどうでもいいのですが、畳替えをする度に2〜3年前の新聞が目の前に出現するわけです。そうなると畳替えをする為に家具を移動する作業を中断して、古新聞を読みふけるということになります。これは昭和30年代迄の男の共通の経験です。(笑)
話しが 畳替えになってしまいましたが、私がここでいいたいのは「年評」をながめる面白さというのは畳替えの時の古新聞を読むのと同じだということです。「年評をながめる面白さ」などと唐突に言われても、理解できないうえに畳替えなどという、これまた いまや どなたも知らない作業を「たとえ」にもってこられても「ワカンナイ!」ですよね。(笑)スミマセン。
でももう少し古新聞のことを書きます。 古新聞を読んでいると 気分はタイムスリップして、2〜3年前のその新聞を読んでいる日に戻っています。 ところが 実際は その記事の内容の その後を知っているのですから、未来を見ることが出来ている感じもするんですね。 多分それが面白くて、30年前迄の男達は畳替えのたびに熱心に古新聞を読んだのだろうと思います。
「何で女性は古新聞を読まないのか?」 決まっているじゃないですか。女性は 男が作業をさぼって古新聞を読んでいる時にも どんどん片付けをしていたんです。(笑)