ニュルンベルクのマイスタージンガー

新宿のお隣、初台にある新国立劇場のオペラのシーズンが始まりました。

今シーズンはワグナー作の''ニュルンベルクのマイスタージンガー''が最初の演目です。9月14日がシーズンの初日でもあります。ですから、お客さんも気合が入っているといっていいでしょう。

''ニュルンベルクのマイスタージンガー''は20年程前に一回見たことがありましたが、もうすっかり忘れてしまっています。序曲は大変有名な曲で、これだけは普通のオーケストラ演奏会でも取り上げられていますから知っています。

スタートが夕方4時で、終わったのは10時です。休憩が2回40分と50分を挟んでいますが、6時間の長大な作品ですから、内容の複雑なことはひととおりではありません。でも時間をかけて丁寧に説明されていますから、とてもわかりやすいのが特徴です。

一人の女性をめぐる3人の男の恋愛感情を横軸に、その時代の''芸術論''が縦軸に構成されています。

この作品の初演が1868年ですから、ちょうど明治維新のその年にあたります。世界的規模で世の中が変化しているときにニューウェーブの旗手ワグナーが、新しい思想をベースに『芸術とはこうなんだ』と主張している作品です。

時代をぶっ壊して前に進むという思想は、まさにロックスピリットと同じだなと感じます。

ワグナーの作品は、どれも長大な大作ばかりで楽しむには体力を必要としますが、一度はまるとぬけられなくなります。6時間気持ちのよい緊張を持続できました。まだワグナーを楽しむ体力があることを確認できた夜でした。(笑)


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