梅田望夫「ウェブ進化論」その2

昨日梅田望夫さんの「ウェブ進化論ちくま新書を紹介しました。
この本を読んでいるといろいろ刺激され、自分の頭の中で
ぼんやりとした型でしかなかったものが、ハッキリしてきています。
そこで、ここしばらく「ウェブ進化論」と「自分の感じていた事」を
対比させながら、ブログを書いていこうと思います。


第1回目ですから序章から抜粋しながら引用します。


『IT産業は「ムーアの法則」に今も相変わらず支配され続けている。
もともとは「半導体性能は1年半で2倍になる」というシンプルな法則だったが
現在は広義に「あらゆるIT関連製品のコストは
年率30%から40%で下落していく」という意味に転じた。
ムーアの法則」が40年も続いてきた結果、今「チープ革命
とも言うべき状況に入った。
チープ革命」という概念には


・「ムーアの法則」によって下落し続けるハードウェア価格
リナックスに代表されるソフトウェア無料化
・回線コストの大幅下落
検索エンジンのような無償サービスの充実


といったことがすべて含まれる。
チープ革命」によってコンテンツの制作やコンテンツの配信能力は
テレビ局だけの特権ではなく、誰にも開かれた可能性となった。
チープ革命」以前には、表現行為を行うためには、既存メディアに認められねばならず
それゆえに既存メディアに特権が生まれた。
しかし「チープ革命」がこれからも進行すれば、今とは
比較にならない程厖大な量のコンテンツの新規参入
という現象が起こる。そしてそれらの
玉石混交の厖大な量のコンテンツの中から「玉」を見出す技術も進歩し
続けるから、「チープ革命」によって既存メディアの権威は揺らぐだろう。』


この引用の標題は『「チープ革命」が生む方向性』です。
この部分を読むだけで、私には多くのことがハッキリしました。(笑)


私は80年代の終わりからプレイステーション(PS)のビジネスに
深く関わっていましたから「ムーアの法則」はなじみ深いものです。
PSをはじめた時に「3次元をリアルタイムに生成するソフトウェア」
を数多くゲームクリエーターに提供したという経験がありましたから
リナックスに代表されるソフトウェア無料化の大切さも
意味は全く違いますが類推できる気がします。
そしてPSの対戦ゲームの関係もあって回線コスト
についても関心がありました。


しかし最後の「検索エンジンのような無償サービスの充実」
はこの本を読むまで、実は余り意識していませんでした。
チープ革命」は実は大きく2つに分かれていたんですね。


ムーアの法則」によってハードウェアの価格が下落し
回線コストが大幅に下落していくというところを
実現させた既存の大企業の競争による企業努力の部分と、


リナックスに代表されるオープンソースソフトウェア登場
によるソフトウェア無料化と検索エンジンのような
無償サービスといった全く新しい考え方を創造したメチャクチャ若い人や
ベンチャー企業の部分が
一緒になって「チープ革命」が進行しているんですね。


しかし「チープ革命」の「きも」は「ソフトウェア無料化」と
「無償サービス」という新しい考え方の実現ですから
旧来型のビジネスモデル信奉者には理解できるわけもないのです。


『「チープ革命」によって既存メディアの権威は揺らぐ』
という部分の「既存メディア」ですが、ここでは
テレビ局がでていますが、テレビ局をレコード会社と
読み変えると一気に私の領域に入ってきます。
『レコード会社の権威は揺らぐ』ですよね。


そうなんです!mF247をはじめようとした理由が
ハッキリしました。(笑)