着うたはCDシングルの後継 その2

最近ウダウダ考えていたことがまとまってきたので、長いのですが昨日まとめて書きました。今日は昨日の続きです。

私はCDシングルが携帯の「着うた」に移行してしまっている、と断定しちゃっています。こんなことはまだ世の中では誰も言っていませんから、本当かどうかはわかりません。ただ私は「そうなんじゃないか?」と思っています。

「着うた」は「着うた」に過ぎない。CDシングルの代わりになるとしたら「着うたフル」だろう、というのが一般的な考え方だとは思います。「着うたフル」を必要とするのは、今の一般的な曲の長さが4分以上、あるいは5分を超えるものがあるからです。

60年代、70年代前半の曲はみんな2分30秒ぐらいのものでした。何で長くなったのかといえば、曲を作るクリエーターが「何とか新しいものを作りたい。他人の作品と差別化したい」と思ったからでしょう。あるいはドーナツ盤では曲が長いと音がひずむけれど、CDだと音が劣化しないからといった理由もあるでしょう。そうしているうちに最初は「長いな!」と思う「尺」が普通になってしまったのです。

「着うたフル」は音をそれ程劣化させないで携帯で長い曲一曲をまるまるDLできる新しい技術です。でもこの技術が出て来る前に「着うた」が世の中に登場し、長い曲の一部を切り取ることが普通になった時、ユーザー(リスナー)は気づいちゃったんですよね。この曲はこの「サビ」が命なんだから、これで十分だよね!と。それでCDシングルを買う人がどんどん減少し、「着うた」がどんどん伸びるという現象になってしまいました。

J-POPを作る優れたプロ作家は「超派手なサビ」や「超わかりやすいサビ」を作るし、ラップ系は「サビ」に行くまでがやたら単調で地味なので「サビ」しかユーザー(リスナー)は覚えられませんから、どちらも「着うた」で十分 といってしまえば十分なのかもしれません。

それに比べるとロック系、シンガー・ソング・ライター系の作る曲は「着うた」では中途半端です。「サビ」に行くまで地味すぎると派手な「サビ」が浮いちゃうし、「サビ」に行くまでをソコソコに作ると「サビ」が目立たないし(笑)。そんなわけで「着うた」はロック系、シンガー・ソング・ライター系には不向きなメディアなのです。(笑)

でも深刻な問題は、ユーザー(リスナー)はCDシングルから「着うた」に移ってしまっていることです。CDショップのCDシングル売場のお客さんは明らかに減っています。つまり池の中に魚がいないのです。魚のいない池で「釣り」をしても魚は釣れない、です(笑)。

そこで私の「大発見!」の登場の意味があるのです。

ロック系、シンガー・ソング・ライター系は「Aメロ、Bメロ」で完結する曲を作る、です。「そんな乱暴な!」といっても、世は「CDシングル」から「着うた」に移行しちゃってるんだから「こんな考え方があってもいいんじゃない?」と思うのです(笑)。「着うた」はイコール「サビ」と思っているでしょうが、そんな規則があるわけじゃありません。携帯の「着うた」の機能をつかって、1分弱の高度に完成された曲を発表してもいいはずです。

携帯の「着うた」という池には魚が沢山いることがわかっています。魚のいるところで「釣り」をしましょうよ!です。ロック系、シンガー・ソング・ライター系の好きなユーザー(リスナー)・ファンは「サビ」だけじゃ釣れません。必殺の「Aメロ、Bメロ」だったら釣れると思うのです。(笑)
(つづく)