mF247をなぜ作ろうと思ったのか?

このところの音楽シーンを見ていると、なんだか固定されていて、あまり面白くないと感じています。といって新しくて面白い音楽が無いわけではない。それを、私が探せないだけなのかもしれません。

通常、一般の人が、ラジオやテレビで聞く音楽は、ヒットチャートの上位曲に限られています。だからこそ新しい音楽を出そうとする時に、音楽関係者はタイアップを探す事が必須の条件となっています。タイアップ曲を取るという事は、大きな人脈と豊富な資金力を必要としています。インディーズからスタートする、若い人達に、そのような環境があるわけもない。

インディーズの若い人達が、何を信じて音楽を続けているかというと、自分達の音楽は新しくて、かっこよくて、面白いという信念でやり続けています。自分達の音楽を知ってもらうために、小さなライブハウスで毎日毎日演奏し、自分達の音楽を理解してくれるお客さんに出会える事を期待しています。

音楽ファンというものは、大きく分ければ二つに分かれます。新しい音楽を探している『音楽好き』と、単に流行っているものが好きな人達です。私がmF247で繋がりたいのは、新しい音楽を探している『音楽好き』です。

長い経験でわかってきた事は、『音楽好き』というのは、自分で音楽をしていた経験を持っている人達です。自分が音楽をやっていて才能の限界を感じて、あるいは家族の反対などから、プロのミュージシャンになる事をあきらめた人達が今や何十万人もいます。この人達が本当の『音楽好き』なんですよね。

ライブハウスに、来ている若い人達の中心はミュージシャンとその友達です。新しい音楽を認めるのは、ミュージシャン仲間なんです。『あいつなかなかすごいじゃない?』という風に。

昔、音楽をやっていた『音楽好き』にとって、今の日本の媒体の環境では、新しい音楽を探していても見つかりません。新しい音楽を聞くには、ライブハウスか、路上しかありません。そして、そこで新しい音楽を見つける人達は、若い人に限られています。でも、社会に出てしまった元ミュージシャンの『音楽好き』は、新しい音楽に出会えません。

元ミュージシャン達は、新しい音楽に出会うと、こいつなかなかやるよねといって注目します。まるで自分が現役の時に、ライバルバンドが何をしているのかを気にする様に。こういう人達が、新しい音楽を、世の中に送り出す事ができると思っています。

時間と体力の無くなった、でもセンスだけはいまだに良い元ミュージシャンで現社会人の『音楽好き』に、新しい音楽を聞いてもらいたい。自宅の机の上で、新しい音楽の発見のできる環境を作りたい。そして新しい音楽を世の中に送り出す応援をしてもらいたい。

これがmF247を作ろうと思った動機です。