会社 その2

前の日から 続きます。

このあたりから 話がややこしくなります。


成熟期に入ってしまっている会社には その会社の発展に多大な貢献をした社員が沢山います。

成熟期というのは 「最も輝いている時期」でもありますから
これにあこがれて 新入社員も どんどん 入ってきます。

会社の中には 自信満々のベテラン社員と 経験も無いのに 先輩の成功を自分自身の成功と勘違いしてしまうぐらい 頭の回転の早い新入社員が沢山います。(笑)            
 
一方 会社の外には それまでの流れから ほめてくれるマスコミと市場関係者がいます。

そんな環境のなかで 「成熟したのでもう成長はむりだ」と言おうものなら 「努力がたりない」などと 激しく非難されます。そして『失望した』と言われて、株価は激しく下がります。

会社の内外を問わず 全ての関係者にとって 「会社は成長している。」「会社は成長出来る。」と言いつづけるほうが あるいは 思い込むほうが 問題をおこさないのです。


創業者は普通は臆病なものです。

ソニーがまだ成長期にある時代の年度はじめに、盛田昭夫さんが『皆さん、「荒天準備」 をして下さい。』 とスピーチをしたことを鮮明に覚えています。

何を根拠に 「荒天準備をしろ」と言ったのかは今となってはわかりませんが、唐突な発言でしたが、何かの変調を感じていたのでしょう。


会社は毎年 『中長期計画』 を策定しそれを発表します。

そしてその 『中長期計画』 を基にして今年の計画が決まります。

『計画は必ず成長することになっている。』 です。

創業者と創業期に入った人達は臆病ですが、そのあとに入社した人達は 『お気楽』 ですから、根拠が大してない成長計画を自分で作ってそれを見て安心してしまいます。

まるで中学、高校、大学受験のときに、勉強の予定表を作ったら、それですっかり安心して 『明日からがんばろー』 とつぶやいて寝てしまう子供のようです。(笑)