振り子は反対側に大きく揺れる・・・その3

いか天は、よくできた番組でした。
司会の三宅裕司さん、相原勇さん、コンビの味も絶妙でした。審査員の伊藤銀次さん、吉田健さん、村上“ポンタ”秀一さん等の超一流ミュージシャンが審査員にいた事が、アマチュアバンドの参加をうながしました。

番組の作りも深夜枠ながら丁寧で、何よりも出場したアマチュアバンドが、そこそこかっこよく写ったことも、良かったと思います。多くのバンドが急速に人気が出て、各レコード会社がそれぞれと契約し、音楽マーケットに「いか天バンド」のCDが大量に投入されました。

受動的音楽ファンはライブハウスまで行かなくても、ロックバンドの情報を、自宅で手に入れることができるようになったと錯覚してしました。その結果、長い時間をかけてライブハウスでしこしこやっていたプロのロックバンドがかすんでしまったのです。

急速に人気の出た番組は視聴率が低下してしまい、2年弱で終了しました。テレビ番組で人気の出たミュージシャンは、テレビ番組に出る機会を失うと人気を持続する事が難しくなります。いか天バンドの多くが、番組がなくなったと同時に困難な状況に立たされました。

バンドブームは、番組と関係無いバンドまで巻き込んで急速に盛り下がりました。
ライブハウスからお客さんが消えてしまったのです。

以下次回