お酒を注ぐ順番が気になってしょうがない No.2

昨日の続き


お酒を注ぐ順番はどうなんだろうという、どうでもいいことにこだわっています。(でも本当は、日本文化にとって大事なことなのかもしれません。)

で、その答えをIIJの鈴木さんに聞きました。

『丸さん、目上の人が、目下に最初注ぐのが、本当なんだよ。丸さんは、身内みたいな連中といつも飲んでいるから、知らないのはしょうがないよね。』

とピシリと言われてしまいました。

長くなるんですが、この話にはまだ続きがあるのです。(笑)


鈴木さんの説に納得して、1日経って今日(19日)セガサミーの里見社長に料亭にご招待されました。

私の仕事の話、ゲームの将来の話、等々、実に愉快に会話が弾んだのです。

で、その席に料亭の女将(おかみ)が居たので、サービスのつもりで私が、作法を知らなかったという話、つまり、お酒の注ぎ方の順番の話をしたら、女将が、 『そのような作法を私は知らない。』 というではありませんか。プロが知らないというのです。

私は混乱しました。

こんな時の解決は、山本夏彦さんです。花柳界のことを、こと細かに書いていた筈です。山本夏彦さんの著書にはこんなことが書いてあったなと、かたっぱしから、パラパラめくっていたら、ありました、ありました。 『百年分を一日で』 の中で、花柳界という題の中に答えがありました。

・・・・・ここでも芸者は酌するだけです。
Q 芸者のお猪口はあるんですか?
山本・・・ない。

Q じゃあお客のお猪口を使うんですか?
山本・・・お流れを頂戴するっていうんです。飲んだら杯洗で洗って返す。紅がつくからちょっとふいて。

Q わあ色っぽい。それからまたお酌するんですか?
山本・・・そんなにさしつさされつはここではしない。人目がある。杯は目上から目下の人にさす。大会社は今でもそうです。年功序列で、下役が社長におひとつどうぞなんて言わない。

Q 山本さんに 『まあどうぞ』 って注いだらいけないんですか?
山本・・・出版社なんて堅気じゃないからいい。ただ手酌というのはしません。芸者が 『おひとつ』 ってすすめる。

Q 芸者はいいんですか?
山本・・・だって給仕だよ?

Q 宴会は楽しかったですか?
山本・・・嫌でした。盃の献酬っていやなもんでした。だからパーティーになったのです。

酒を注ぐ順番は、どういうのが正しいのかという、話を終わりにします。

3日もこんなことにお付き合い下さって、ありがとうございました。(笑)




最後にしつこいようですが、また紹介しちゃいます。

百年分を一時間で (文春新書)

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