インターネットと音楽と湿り気

音制連主催の ''in the city'' でのシンポジウムに招かれました。

2部に分かれていて、1部は吉田就彦さんによる音楽配信時代の、 『コミュニティ・マーケティングの現状』 というタイトルの講演で、最近のインターネットで起こっている、いろいろなケースをとてもわかりやすく話してくれました。

私は今、インターネットと音楽を結びつけて、新しい仕組み ''mF247'' を作ろうとしているので、身を乗り出して興味をもって聞きましたが、会場に集まった音楽関係者の皆さんに、貴重なメッセージは届いたのでしょうか。

吉田就彦さんは、7年前にポニーキャニオンを退職して、インターネット業界に飛び込んだのです。

1996年頃、インターネットの将来を熱く語っていた人は、まだ私の周りにも余り居ませんでしたが、その名を上げれば、デジタルガレージ伊藤穣一さん。インサイダー編集長、高野猛さん。IIJの鈴木幸一さん。アクセス、荒川亨さん。 といった人達で、皆さん今の日本のインターネットの技術を先頭に立って引っ張っています。

吉田さんは、そんな時期に自分よりはるかに若い、伊藤穣一さんのところに飛び込んだのですから、勇気ある決断をする人です。インターネットの上手な使い方を音楽業界の人達に解説するのに、これ程適している人はいないでしょう。

音楽業界の人にとって、IT業界の人の説明だと、理論的で、乾いていて、反発するようです。

音楽業界の人はインターネット関連の説明を受ける時、湿り気を必要とします。その湿り気の必要性を知っている、吉田さんの講演を皆さんにもっと聞いてもらいたいと思います。