テレビ番組をブロードバンド配信することのややこしさについて

「映像コンテンツのBB配信に関する利用者と権利者の暫定合意について」
という題で、テレビ朝日ライツ推進部長の高橋英夫さんの講演があったということを昨日書きました。この話は専門的すぎて面白くないかもしれませんが、「ライブドア VS フジTV」「楽天 VS TBS」問題の根本部分の話ですから、出来れば付き合ってください。

背景
ブロードバンド配信がアッという間に技術的に実現してしまった。ブロードバンドに有料の動画コンテンツをのせたい。

今から急にコンテンツを一から作っていくのは大変だから、TV局のもっているライブラリーを使わせてもらおう。

TV局に行って交渉したら 「ネット配信は自分達では勝手に決められないんです。いろいろな著作権権利団体のOKをとらなければならないんです」

IT系から見れば 「何だか色んな理屈を言っているけれど 本当は、やる気がないんだ。TV局の連中はチャラチャラ遊んでいやがって。自分達は、企業の存亡をかけてガンバッテいるのに。 しょうがない、TV局を買っちゃて番組を自由に使うぞ!」

まぁ、大体こんな流れなんじゃないかな?(笑)

でもTV局にしたって、自分達で作った番組をもう一度別のところに売る事が出来れば、売上げが増えるのだから出来ればやりたい筈なのにやれないのは何でだろう と思わないんですかね?

で、何とか番組をブロードバンド配信できるような仕組みを作ろうと、日本経団連が「ブロードバンドコンテンツ流通研究会」を発足させたのが何と2002年の2月なんです。(思ったより早いと思いませんか?)


【権利者側】①JASRAC、②保護同盟(現文藝術協会)、③日脚連、④シナ協、⑤CPRA、⑥レコ協
【利用者側】①映連、②ATP、③動画協会、④映像ソフト協会、⑤民放連、⑥NHK⑦衛星放送(CS)協会、⑧NMRC、⑨映像等配信著作権連絡会
【オブザーバー】①文化庁(著作権法著作権等管理事業法)②総務省(放送、通信の監督官庁)、③経産省(IT産業振興)


TV朝日の高橋さんの話では、3年かけて交渉50回会議50回、計100回を超えたというのですから、気が遠くなる交渉と会議だったようです。

この研究会にIT企業の人たちも第二オブザーバーとして出ていればよかったんです。そうすれば、もう少し事情がわかったのだと思います。

(続く)