ニーベルングの指環2

12日の木曜日神保町で打ち合わせをした後 本屋の東京堂を覗きました。
神保町の本屋街で中学生の頃から好きだったのは東京堂です。
神保町だと新刊書本屋は三省堂が昔から有名ですが 何しろいつも混んでいたので
ゆっくりできる東京堂がひいきでした。
今も東京堂は静かで、人の肩越しに書棚を見るなんてことはしなくてすみます。


目に止まったのは、「大佛次郎天皇の世紀(普及版)」朝日新聞社でした。
第一巻「黒船」を手にとってみると、実に興味深い記述にぶつかりました。
序の巻1.2.3に明治維新前後の京都御所の配置、構造。
天皇公卿達の祭礼儀式。 天皇公卿達の経済状況。
天皇の一日の生活、元旦の過ごし方。
明治天皇の生母の実家のこと 出産の手続き 養育の仕方、養育費用。といった細々としたことです。

夕方最近「皇室のあり方議論」が徐々に白熱しつつあるので それに少なからず
影響されているのでしょう。
それて手にしたのだと思います。


私は1941年生まれですから 敗戦後の民主主義教育を受けました。
ですから 奈良平安時代を経て、鎌倉時代から徳川時代末期迄 例外はあるけれど
天皇及び公卿集団は政治には一切関わっていなかったと教育されています。

徳川幕末に数世紀ぶりに天皇と公卿の集団を政治の真中にひっぱり出した人達がいました。
明治維新を企てた人達にとって 天皇と公卿の集団は利用価値がありました。
大正昭和の軍部の人達にとっても 天皇と公卿の集団は同じように利用価値がありました。
敗戦後の民主主義の時代になっても私達国民の大部分は天皇に利用価値があると認識しています。
(利用価値などというドギツイ表現では違和感があるかもしれませんが)


話しがとびすぎるんですが<天皇>というのは<ニーベルングの指環>だよなと思いはじめています。
「<ニーベルングの指環>という作品は神話の構造の再発見では」という
人類学者のレヴィストロースの意見を昨日コメントで紹介してくれた方がいます。
ありがとう。こんな時期にテーマにピッタリのことを紹介してもらうと
ますますフワフワと考えることが拡がって楽しく毎日が過ごせます。(笑)


新しい視点で 最終日の「神々の黄昏」をみてきます。