どんと紅白 その5

「どんと紅白」本編のはじまる前に、ボ・ガンボスのライブの映像が30分程上映されました。
改めて見ると、やっぱり すごいバンドだったなと思います。


「何がすごいのか」の理由を説明したいのですが なかなか それを表現する言葉がみつかりません。

一般的にクリエーターの初期の作品というのは、必ず影響を受けたミュージシャンというのが
見えるのですが それが見えません。
表現の仕方 パフォーマンスも 誰にも似ていません。
私は不勉強なので 判らないのかもしれませんが、少なくとも 私にとっては 全く新しい
タイプの作品と表現方法でした。
映像を見て 最初に衝撃を受けたことを思い出しました。


本編がはじまると 又 アレッと思います。
不思議なことに、 どの曲も それぞれの出演者のオリジナル曲のように演奏されたことです。
もちろん オリジナル曲を 私は知っています。
普通カバーを聴くとき ついオリジナルと比べてしまって カバーに若干の不満を感じてしまうのですが、
この日はついに一度も そのような感じを受けませんでした。
これは とても不思議なことです。
「どんと」の曲には 普遍性がありながら 「どんと」本人の表現方法には とても他の人が近づきようのない独自性が
あったということの証明なのかも知れません。
それで、私の頭に残っている オリジナルがすっかり消えてしまっているのです。
長いライブだったのに アッという間に終わってしまったというコンサートでした。


終わってから 楽屋に行きました。
久し振りに会う ミュージシャンと話しをしていると この日の舞台の上を完全に仕切っていた
Dr.KyOn が近付いてきました。
手に一冊の本を持っていて その本を私に差し出しました。
「丸さん! レヴィ=ストロースはちょっと難しいですよ。
この本を寝ながら パラパラ読んで下さい。
少しは レヴィ=ストロースが身近に感じるように なるかも知れないから。」
その本は いしいひさいち現代思想の遭難者たち」
第7回手塚治文化賞(短編賞)受賞本です。
ビックリしました。 Dr.kyOnは 私のブログを見てくれているんですね!

で、 私に会うことを予測して 本を用意してくれていたんです。


コンサート後の「打ち上げ」を失礼して 家に帰り いただいた本をパラパラ読み始めました。
いしいひさいち」さんの本ですから 見始めたというのが 正確なのかもしれません。(笑)
見始めて,すぐに止まっちゃいました。
「交叉イトコ婚の結婚」の説明が難しいのです。
今日現在「レヴィ=ストロース」に立ち向かう気持ちはありますが、
助太刀の「いしいひさいち」さんのところですら つまずいでいます。

「どんと」といい 「Dr.kyOn」といいい 京都派恐るべしです。
レヴィ=ストロースの感想を書けるのは いつになるのでろうか?