大検

私の高2というのは1958年です。

その頃は受験雑誌が全盛期で

旺文社の 『蛍雪時代』 と学研の 『高3コース』 の2大誌は

大学受験生にとっては必読誌でした。

毎号合格者体験談というのが特集されているのも

受験雑誌の 『お決まり』 です。

その合格者体験談のなかに 『大検』 をとって

大学進学を果たした人がいるのを見つけました。

『大検』 って何だろう?

今でこそ 『大検』 はポピュラーですが、

その頃は殆ど知られていませんでした。

1960年が安保闘争の年で、この混乱の責任をとって

岸内閣が退陣し、池田内閣が成立して

日本の高度経済成長時代に向かったのですが、

私が教師と対立していた1958年はその前ですから

未だ日本は 『戦後の経済再建途上』 という時代です。

集団就職という形で多くの中卒の人達が上京してくるという時代です。


進学したくても、家の経済事情で進学できなかった人が

夜間高校や通信教育を受けながら 

大学への進学を目指す若者の為に作ってあった入口が

大検 (大学入学資格検定試験) という制度でした。


私のように普通に高校に通っている生徒にとって

大検という制度は全く必要がないのですから

そんな制度があることすら誰も知りません。

でも私は幸運にもそんな制度があることを

受験雑誌の上に発見したのです。

早速本屋に行って 『大検』 の手引き書を買い求めました。

『大検』 受験の手続きの方法と過去問題集のついている本です。