大瀧詠一さんのこと

山本夏彦さんは「今人 に知己が得られないなら 故人 にそれを求めるより他ない。」
と 何度も同じことを書いています。

山本夏彦さんは大正4年(1915年)生まれですから 世の中をわかるようになったのは
普通の人だったら 昭和に入ってからだと思うのですが、山本夏彦さんは普通ではありませんから
大正の頃のことも良く知っていて、驚くべきことに生まれる前の明治のこと迄知っているのです。


昔のことを知るということは「歴史を勉強する」ということですが 「自分の生まれるちょっと前」
というのは 「近過去」ですから歴史になっていません。
ですから 山本夏彦さんは「近過去」の故人の書いた小説等の出版物を読んで 近過去を再現して
しまうという特別な「技」を持っていました。

山本さんが高く評価した久世光彦さんにも 山本夏彦さんと同じような「近過去」を冷静に見る「眼」が
あって、捨てられてしまった「近過去」を再構築しようという「技」があったのだと思います。

何でこんなことを書いているかというと 今年の一月の末に ほぼ「日刊イトイ新聞」で
大瀧詠一さんに会う機会がありました。

その時の「話」はとても面白かったのですが ここに書くわけにはいきません。
「制作著作」は ほぼ「日刊イトイ新聞」にあるわけですから。(笑)

で、その時私が感じたのは「大瀧詠一さんと山本夏彦さんは同じカテゴリーの人だな」と思ったということです。


私のブログを読んでいる人は音楽関係の人が多いと思います。
ここ何日間か 山本夏彦さん 久世光彦さんのことを書き続けていましたから「イイカゲンニシロ」と
言われそうですが、「大瀧詠一」さんに話が行き着いて 私も「ホッ」としています。(笑)