東京タワー

13日(木曜日)に羽田を発って、沖縄で仕事をし、翌日14日神戸空港から京都に入り
15日(土曜日)に京都で立命館大学JASRAC寄付講座のオープニングというかオリエンテーションで「コンテンツ産業概論」と題して 1時間半の講義をし その後姫路に向かいました。
姫路にとても気になるバンドが活動しているので そのバンドのマネージャーに会って
mF247に勧誘しようというのが目的です。
そして 今日 日曜日に新幹線に乗って東京に戻ってきました。

姫路から名古屋あたりまで、かなりの数のまだ散っていない桜を見ることができました。
畑には 菜の花の黄色が鮮やかで、ここ2.3日冷え込んで雨がちだったのに 一転して
「春だな!」と感じる沿線風景です。

ところが 箱根に近付くあたりから曇天になり、東京に着くと何だか重苦しい天候で
「日本も結構東西にひろいよな。」とえらく感じました。(笑)


羽田を発つ時に遅ればせながら 東京タワー(オカンとボクと、時々、オトン)
リリー・フランキー著を買い込み、今回の旅のあいだ何度も読み返し、そのたんびに涙を
流しました。(笑)


この本は久世光彦がテレビドラマ化しようと準備中だったということで、「それなら読まなければ」と思っていたのですが、遅れてしまって 今頃 読んでいます。

著者は1963年(昭和38年)生まれですから 東京オリンピックの前年生まれです。
ですからこの本には 昭和40年から平成にかけての(つい最近の、とはいっても もう
40年になるんですね)懐かしい日本の姿が丹念に書き込まれています。


久世光彦が懐かしんでいた昭和ヒトケタはもっと遠い昔です。
その昔にあった大家族(三代同居)はとっくに消えています。
核家族も壊れて、母子家庭に育った著者の子供の時代から著者の母の死までの 昭和40年
からの40年間の見事な歴史になっています。

公式の政治や経済の歴史ではありません。

地方から上京した若者が、「前向きに生きる」ことが出来なくて、苦しみながらブラブラ
している生活を書き込んでいる部分なんかは 息苦しくなって読み続けられません。

でも敗戦後、豊かになった日本で敗戦後、復興し、経済成長を遂げ 何か その時代に
同化できなかった著者が例外な若者ではなく 数多くいたのだろうことを感じさせます。
観念的ではなく 極めて自然な文章はそれだけに説得力があります。

もし読んでいなければ 是非お読みください。