YUMI MATSUTOYA

YUMI MATSUTOYA "The Last WednesDay Tour 2006" を見ようと 国立代々木競技場
第一体育館に行ってきました。

毎年彼女のコンサートのあと、見た人達が「今年も相変わらず良かったよ!」
と感想を報告してくれるので、しょっちゅう見ている気がしていましたが、彼女の
コンサートを見るのは10年振りぐらいで、本当に久し振りです。

会場に拡がる気持ちの良い演奏と 歌唱を含めたサウンドと 実に上品な照明とていねいに
作り込まれた演出を含めて 総合芸術だなとあらためて感心、感嘆しました。


 このコンサートを見ながら、音楽ビジネスも年々変化しているなと強く思います。
私が高校生の頃(50年代後半)親に買ってもらったオーディオセットの前に
兄弟が座り込んで意識を集中してレコードを聴くというスタイルは、’79年頃に
ウォークマン」が発売されて以降「歩きながら聴く」「車を運転しながら聴く」といった
音楽の楽しみ方に変化してきています。


音楽の楽しみ方が「BGM」化しているのが今でしょう。
先日 日本TVの土屋プロデューサーと話をしていたら「TVの世界も同じです。」と教えてくれました。「BGV」化しているというのです。
「TV」をONにしたまま「インターネット」をしていたり 新聞や本を読んだりしているのが
普通の人のスタイルになってきているので 画面に集中してないと つながりが分からなく
なるような 緻密に作り込んだ番組は 視聴率がとれなくなっているのだそうです。

私達は毎日毎日 何かに追っかけられて あれもしなくちゃ これもやっておかなければと
生活し 時間が足らなくて TV 画面を見ながら本を読み、音楽を聴きながら ゲームをしたりと 何だか意識を集中できないでいます。
意識を集中できないと「感動」に到達できません。

コンサートを見ながら 本を読んでいる人はいません。
ていねいに作られた「ユーミンの世界」を2時間半集中して楽しみました。
意識は集中され 感動に到達できました。

「音楽」ってライブ、コンサートでしか感動にまで行きつけなくなりつつあるのでしょうか。もしそうであるなら「音楽ビジネス」の主役は「レコード産業」から「ライブ、コンサート ビジネス」の方向に移っていってるのかもしれません。

CDを アーティストの作品をしるための情報源として活用し ライブで感動するという流れができはじめていると考えると この流れが音楽だけでなくて、芝居とか 落語とか スポーツとか ライブエンタテイメント が隆盛になっていることの説明にもなるかもしれません。