着ウタフル

メジャーレコードのトップの一人と食事をしました。話題の一つは次世代携帯電話と着ウタフル着うたフルです。最近の報道によると、iチューンSHOPiTunes Music StoreVodafon VodafoneAppleSoftbank)/ソニーウォークマンAUauとの提携などが相次いで報道されています。私のやっているmF247をはじめとしてPCでのダウンロードのサイトは、次々とスタートしていますが、配信ビジネスは携帯電話のマーケットの方がビジネスとして圧倒的に大きいのは知られているとおりです。着メロから始まって着ウタ着うたに至る携帯電話のダウンロードビジネスの発展は音楽ビジネスの明日の方向を示しているし、いよいよ始まる着ウタフル着うたフルがどのように伸びて行くのかはレコード会社として最も気になる筈です。会話は中国や韓国のレコード会社の状況におよび海賊盤の横行で壊滅状態になっているのだそうで、レーベルによっては、現地法人のCDリリースを中止し、配信のみに切り換えている会社も出始めているということを知りました。

10年以上前に雑誌でリチャード・リー氏のインタビューを読んだことを思い出します。彼が20歳代の前半に香港で衛星放送会社をオーストラリアのメディア王のマードック氏に売却した直後に行われたインタビューで、「フロッグ・ジャンプ(蛙とび)」という言葉を使ってました。彼によると「フロッグ・ジャンプというのは、技術の進歩を段階的に進めるのではなくて、一段階、二段階ジャンプして最新技術の段階に一気の到達してしまうこと。」だと言ってました。中国韓国の音楽状況は、この「フロッグ・ジャンプ」を思い起こさせます。LP、CD販売の時代が成熟した後に、携帯電話によるダウンロードの時代に徐々に入るのではなく、CD販売の時代を飛び越えて一気に着ウタフルの時代に入って行こうとしているわけです。時代の変化のスピードは思っているより速いかもしれません。そうなると、日本の音楽産業のビジネスモデルも大きく変わらずにはいられないでしょう。とても面白い時代が目前に迫っています。