クリエーター大国 その12

昨日(きのう)の続きは 今日もまた・・・・・・・・・

○丸山参考人 から、こういう新しい時代に来たのだったらば、新しい仕組みで、新しい枠組みで、前のことは切り捨てて、放送局など放っておいてというふうにやった方がよくて、どうも参考人の割に自分の意見を言い過ぎですね。放送と通信の融合などとわけのわからないことで、私には全く理解できないですから。

○山賀参考人 全く同感です。

○牛尾座長 小川委員、どうぞ。

○小川委員 ITの会社も、それを多分理解していないわけではなくて、例えばテレビ局さんが持っている権利の範囲というのは限定されているということもよく理解しているつもりなんですけれども、言い方を変えると、うまくテレビの持っている既存の力を利用して新しいコンテンツづくりをしていくべきなのではないかと。
 やはり、結局、年間何千億というお金を使って・・・・・。

○丸山参考人 テレビ局は、ブロードバンドで怖いと思っているわけ。だから、自分たちの持っているコンテンツの権利をクリアーして、本当はその方がいいんだと思うんですけれども、それを何とか皆さんの方にお渡ししようという気は全くないです。だって、自分のビジネスが壊れるんですから。
 だから、全くないものを何とかそういうふうにするように努力するということをやるのはばかばかしくて、それよりも新しい枠組みをおつくりになった方がいいのではないですかということを私は言いたいわけです。

○小川委員 そのとおりなんです。コンテンツをつくる立場の視点で見たときに、とは言っても、大きな予算を持っているテレビ局さんもうまく活用して、新しい枠組みの中でいろんな新しい流通方法も、先ほどちょっと舌足らずでしたけれども、新しいマルチユースの流通の流れというのは、ハリウッド型のこういう流れではなくて、新しいアプローチを考えるべきではないでしょうか。
 そのときに、テレビは悪者ですと。テレビではないところで全部やりましょうというのではなくて、やはり、確かに一家に一台、ウインドーを押さえているわけですから、かつ、そこにかける予算というのはやはり大きいです。それをうまく我々は利用していくべきなのではないか。新しく生まれてきているコンテンツをつくる会社、ないしはコンテンツを流通していく会社を活用していくべきなのではないかというのが私の視点なんです。


「放送と通信の融合などとはわけがわからないし 理解できない」と私が発言し、山賀参考人も「全く同感です」と賛同されたのです。
で、そのあと 放送と通信の融合を主張されている IT業界の小川委員が発言したわけですが、

テレビの持っている既存の力を利用して・・・・・・
大きな予算を持っているテレビ局さんも上手く活用して・・・・・・
それを上手く我々は利用していくべきなのではないか・・・・・・

という風に「利用」とか「活用」といった言葉が短い発言のなかに何度も登場します。
結局のところ「放送と通信の融合」の意味は 自分で新しいコンテンツ(作品)をつくらないで TV局の持っているコンテンツを自由に使わせろということでしかないのではないかと理解しました。
「放送と通信の融合」という言葉には もう少し高次元の新しい概念があるのだと思っていたのですが「なあ〜んだ」そんなことなのかとようやく気付いて 腹がたって来たのです。
更に小川委員の発言は次のように続きました。

別にデジタルコンテンツではなくて、普通のメーカーさんでも、例えば最近、メーカーさんの利益よりも流通業者の利益の方が多く出ているという実情もあるのではないかと思うんです。
 よく、普通の飲料とかそういう消費物のメーカーさんと話しているときに、流通さんの方が強くなってしまって、ものづくりしづらいというような話も聞いたりするので、これはデジタルコンテンツに限った問題ではなくて、どうしても流通が強くなっていったときに、ある程度の比率を押さえられたときに起こる問題なのではないかというふうには感じています。

これって「クリエーターよりも 流通の方が 今の時代は強いのですよ」といっているんですよね。
「流通が強いのだから クリエーターへの配分の比率が押さえられてしまうのは最近の傾向です」と言っていますよね。
これでは「クリエーター大国」を目指すなんて夢のまた夢になってしまうじゃないですか。