クリエーター大国 その14

まあ このように牛尾座長がまとめられたのですが、IT業界代表の方が 前々回の発言のなかで 余りに無神経な発言をなさったので (とは言っても 作品を創り上げる コンテンツを創り上げるということが どれ程の効率の悪いことを積み上げないとならないかは そのプロセスに関わった人でなければ わからないですからしょうがないんですけれど)年がいもなく暴走してしまいました。(笑)
しかし 放送局とIT業界が今はまだモメているので良いのですが、両者が仲良く一緒になって クリエーターが「利用」されたり「活用」されてはかなわないと思っています。
私は放送局のこともかなり悪くいっていますが、 放送局の現場にはすばらしい作品を創り上げようとしている人が過去に沢山居たし、今もいます。 このブログで取り上げた春先に亡くなった久世光彦さんもそのなかの一人ですが 今大活躍のTBSのプロデューサー磯山晶さんもそのうちの一人でしょう。 6月17日の朝日新聞にインタビュー記事がのっていて えらく感心したので紹介します。
「90年の入社から 約10年はつらい時期で、いつも会社をやめたいと思っていた。(中略)転機は当時無名だった宮藤官九郎との出会いだ。(中略)視聴率はよくない。 03年の「マンハッタンラブストーリー」では「白い巨塔」と同じ時間帯で5.2%の時もあった。 だがこれらのドラマは DVDになるとヒットを飛ばす不思議な傾向もある。(中略)若い男性はだれが人気者になるがわかるそうで、 現在放送中の「我輩は主婦である」でも初めてスカウトした男性を起用する。
「ビッグになって恩返しして欲しい?」と質問したら「売れると帰ってこないからなあ」と答えた。ここにソフトコンテンツあるいは 作品を作るまでの「長い時間」とそのプロセスのなかでの「苦しさ」と成功したとしても そのあとの見返りの少ない「ホロ苦さ」が全てこのインタビューのなかにはいっています。
ソフトコンテンツ 作品を創る人達は こんな思いで毎日毎日を積み重ねているのですから どうぞ 効率良く「利用」したり「活用」したり なんて 言わないで下さい。