沖縄本 2

小林よしのり著「新ゴーマニズム宣言 SPCEIAL 沖縄論」小学館発行 を読みました。
この本の良さは、沖縄につきものの諸問題が 実に良く整理されているところです。
小林よしのり氏の「ゴーマニズム宣言」シリーズの他の著書を読んでなかったので、この機会にいくつか読みました。
かなり極端な主張をされている方だと判りました。
そのなかで、「沖縄論」は慎重に書かれていますから、他の作品とは異なって 私にも十分納得できましたので、この本を沖縄に関する案内本とするのは間違ってはいないと思います。
しかし他の作品に関しては、オススメするというのには いささか躊躇するというのが、私の感想です。(苦笑)

先週水曜日と木曜日に高松を経由して、直島に行きました。
朝早かったので、空港の本屋に寄る時間もなく、手荷物検査を抜けて待合室に入ってしまいました。
飛行機に乗るのに本を持たないのは 何となく落ち着かないので、新聞雑誌を売っているコーナーに近付きました。このコーナーには少しですが、文庫や新書も置いてあります。 旅の途中用の「本」ですから、比較的「軽い本」が並んでいるのですが、妙な「本」が1冊あって「買ったほうがイイヨ!」と呼んでいます。

小林秀雄著「考えるヒント」です。
小林秀雄なる人のことを知っている人は50才以上だと思います。 私の少年、青年の頃 最も重要視されていた批評家として有名で 彼の緻密な文章力は 私のような雑な頭脳では 当時は一読しても理解できなくて、それは一般にも認識されていましたから、彼の文章は「大学入試の試験問題」にしばしば出題されたことでも その難解さは お判りいただけると思います。(笑)
とても「軽い本」とはおもえない小林秀雄著「考えるヒント」が置いてあるので、若い頃「歯のたたなかった」小林秀雄を読んでみるのもいいか、もし理解不能であったら多分寝てしまうだろうし、それでもいいやと思って買ったのですが、そこで気付きました。
空港の売店仕入れ担当は 多分 小林秀雄という人のことを 全く知らなくて タイトルだけから、「考えるヒント」という軽い「ハウツー本」だと勘違いしたに違いありません。(笑)
仕入れ担当が間違えてくれたおかけで、私は小林秀雄の「考えるヒント」という素晴らしい本に出会えました。
この本のなかで「福沢諭吉」について、彼は論じています。
私は小林秀雄をとおして福沢諭吉を知り、最近の日中問題、日韓問題、教育改革、愛国心問題、所得格差問題、官から民の問題等の全てについての根本の考え方 哲学が既に明治5年に論じられたことを知り、興奮して寝るどころの話ではなくなったのです。