瀬戸内海 直島

10月中頃に、私は瀬戸内海の直島を訪れました。 直島は地図で見ると 岡山県に殆どくっついているのですが、行政的には香川県に属しています。 「なんでだろう」と思いますが、香川県に属することが決まったいきさつが面白いのですが、話がいつものように長くなるので、このことには触れないことにします。(笑)
で、直島にいったんです。
経路は羽田から高松空港経由高松港からボートで直島着ということでした。 直島はベネッセの福武氏が力を入れて「自然を破壊しない開発」をしている島で有名です。 建築家の安藤忠雄さんと協力して、新概念の開発をしているのを見てきました。 中心になる「テーマ」は美術館なんですが、既成の美術館と思ったら 想像と実際のギャップに驚くし、それだけに感動することは まちがいありません。
日本で人気のあるヨーロッパ印象派の名画がズラズラ並んでいる といった美術館を期待している人には、期待外れとなりますが、21世紀の「美術」が毎日毎日進化していることを実感したい人にとって、こんな大規模な現代美術館が日本に存在していることに驚くでしょう。
美術館の福武プロデューサーの構想が とても大きなものだろうと想像はできますが、美術館そのものが生き物のように日々進化しつづけているようなので、次回訪れる時には 又、大きく変化していることを予感させます。
この美術館の面白さは「建物がまずあって、美術品を展示している」というのではなく、「建物があって、それにあわせて美術品を制作し、展示している」 あるいは「美術品があって、それにあわせて展示する空間を造る」というコンセプトがつらぬかれているような気がします。 私は美術に関して専門家ではないので、本当のところは良くわかりませんが、そんな気がしました。
既成の美術館だと 一定の空間に展示作品が並べてあるので、鑑賞する私の視線と気持はその展示作品にのみ集中してしまうだけとなりますが、ここでは空間と作品というもっと大きなのびのびした「何か」を楽しめるし、ひとつの展示室と次の展示室の途中にゆったりとした自然を見ることもできるので、展示されている作品の素晴らしさが一段と増すわけです。
ここでは展示されている作品と空間と それらを見てまわる「時間」すらも重要な鑑賞の要素になっています。
こんな気持の良い美術館を他には知りません。
ぜひ一度体験してみて下さい。 オススメします。