レコード史 4

1950年代の中頃から シングルやLPというレコードが 日本の家庭にも徐々に入ってきました。 ほぼ同時期に TV放送もはじまりました。 一般家庭では オーディオセットの購入が先なのか、TV受像機の購入が先なのかは それぞれの家庭の嗜好や 教育方針や 購入価格等々で 決まりました。 一般的には、TV受像機の導入のほうが 価格が高かったにもかかわらず早かったような記憶があります。 そんな一般状況のなかで オーディオセットを親に購入してもらい、お小遣いでレコードを買い集め聴きまくっていた若者も わずかですが いました。 私もそのうちの一人です。 そんな音楽好きな若者が購入したレコードは クラシック、ジャズ、ポピュラーといった洋楽が 大半でした。 その頃高校生だった私のクラスで 音楽を家で聴くという環境をもっていたのは、ほんの2〜3人だったとおもいます。 つまりまだその頃レコードで洋楽を聴くということは「教養の匂い」とか「先進的なこと」だったような気がします。(笑)
私は東京生まれで 東京育ちですが、中高生の頃は まだコンサートやライブの機会はまるでなかった時代ですから、普及しはじめたレコードが無かったら、音楽に出会うチャンスをのがしていただろうと思います。
20世紀のはじめ頃まで、ヨーロッパで、クラシックのホールやオペラ劇場で音楽を楽しんだり、アメリカや東京や上海の お酒と女給(古い言葉ですね、笑)のいるキャバレー(クラブ)で音楽を楽しむことは 生演奏を聴くことのできる大人だけでしたから、レコードで 音楽を少年少女が楽しめるようになったということは、画期的なことだったのです。