レコード史 7

1970年代は 日本の音楽シーンが 史上 最も輝いた時期でした。
オーディオセットが 家庭に普及して レコードで音楽を楽しむことが 普通の人でも可能になりました。 1966年の 「ビートルズ」 の武道館公演以降、海外大物アーティストのコンサートも 続々と実現しました。 昨日も書きましたが 日本でも「洋楽」の影響をうけたミュージシャンが 活躍しはじめて レコードを続々と制作し、「中津川フォークジャンボリー」 をはじめとする大、小のコンサートが日常的に催されるようになりました。
クラシック、ジャズの分野も 相変わらず元気でしたから、従来の コンサートやライブで音楽を楽しむのと同じように「レコード」 という新しい 「メディア」 のおかげで 「音楽愛好家」は 豊かな音楽生活を毎日楽しむことができるようになりました。
20世紀の前半まで 「音楽を楽しむ」には、コンサートやライブ会場で経験する以外に方法がなかったのですが 「レコード」の普及によって、日常生活のなかで 「音楽を楽しむ」ことが可能になったのです。
1970年代は 後々音楽に影響を与える技術も 次々と開発されました。 先ずカラーTVが 70年代前半にはほとんどの家庭に導入されました。 さらにカセットテープが使われはじめ、カセットデッキが レコードプレーヤーの横に設置されるようになりました。 そして更に カセットプレーヤーは進化を続け、その後の音楽の楽しみ方に大きな影響を与えることになった ウォークマンが1979年に商品化されました。 ビデオ・デッキのフォーマットの争いであった 「ベーター」か 「VHS」か という争いに決着がついたのも70年代の終わりの頃です。 つまりアナログの技術が急速に最高点まで達してしまったのが1970年代でした。
私のように 「レコード」 が普及する前に 「音楽愛好家」 になっていた人は 「レコード」の普及をとてもありがたいことだと大喜びしていたのですが、技術の進歩が速くて、あっという間に 時代が 「古い音楽愛好家」を置き去りにして進んでしまっているという気がしています。(笑)