レコード史 9

1970年代にこだわっています。(笑)
何度も繰り返しますが、音楽を生(ナマ)で体験する以外の方法がなかったのに、LP、シングルが普及し、レコードでも音楽を聴くことができると 「音楽愛好家」が夢中になってレコードを買い集めていたのが60年代です。
1970年代は カラ−TVの普及やカセットデッキの普及によって 「何となく音楽が好きな人」も大量に増えて、音楽がメジャーな存在になりました。 それ迄音楽業界は 「産業」などと呼ばれたこともなかったし、大学生の就職先として 「レコード会社」という業種はありえなかったのです。 それが 「何となく音楽が好きな人」が増えた結果 「レコード」の売り上げが順調に毎年伸び、売上高では米国に次ぐ 世界第二位のレコード大国になってしまいました。 レコード会社の規模は どんどん大きくなり、新しいレコード会社もつぎつぎ創立されました。 レコード会社は競って 「新卒」を採用するようになりました。 「新卒」を毎年採用できるようになれば、その業種は立派な 「産業」として認知されたことになります。(笑) 「レコード会社」が音楽業界の中心になったのは、売り上 と利益が 大きくなり、大きなお金を動かせるようになったからです。
70年代の終わりに 「ウォークマン」が世の中に出ました。 「音楽は室内でじっくり聴くもの」という「古い音楽愛好家」の音楽鑑賞スタイルは絶滅寸前となりました。 若者は外出時に 「ウォークマン」を持ち歩き、大人はカーステレオで音楽を聴くのが普通の音楽鑑賞のスタイルに 「アッ!」という間に変化しました。 室内で 「じっくり一枚のLPを聴き込む」というのが 旧い楽しみ方とすれば、「何となく気分にあわせて沢山の音楽を軽く聴く」のが 新しい時代にあったのです。 「何となく音楽が好きな人」は 多種の音源を必要としますから、それにあわせて 「貸・レコード店」が開業するや 爆発的に全国にひろまりました。