温故知新 5

「生類憐れみの令」が発布され、騒がしい世の中が落ち着き始めます。 大型土木工事や大建築を伴う「公共事業」の数も少なくなります。 国内の戦乱はなくなり、鎖国をしてますから対外騒乱もなく、経済は停滞しますが、平和な時代がはじまります。 元禄(1688年)から 文化文政(1827年)までの約140年は諸問題を抱えながらも、世界が大きく変化しているときに、国内は徳川の長期政権が続き、安定していました。「ゆっくり動く時代」だったのです。
「ゆっくり動く時代」は退屈な時代でもあります。 しかし「人間は何もしないではすまされない存在」でもあります。
エネルギーは「文化」に向かいます。 平和な世の中の主役は「武士」から「町人」に移り、「町人文化」が発展しました。

と、ここまで書いたのが、先週の火曜日だったのですが、 その翌日の朝日新聞の夕刊の続きもの「ニッポン人脈記」が「ゆっくり」というテーマで 連載が続いていることに気付きました。
「江戸という時代が見直されている。 時代劇ではなく、環境やエネルギーといった現代の問題劇としての関心。それに加え、競争時代に生きる人々の のどかな時代への文化的傾斜もあるようだ。」とあります。
「ウーン! 気付いている人は もうとっくに気付いているんだ!」 私がそんな気分になっているということは、多くの人が同じように感じているということですから、世の中の潮目の変化は もしかしたら、大きく動く時期に来ているのかもしれないと えらく納得しています。(笑)