山本夏彦と山口瞳

昨日、山本夏彦さんの著書から引用しました。山本夏彦さんを知る前は、山口瞳さんの愛読者でした。お二人とも、編集人をしながら、自分で小品を書き始めたという、経歴は似ています。(山口瞳さんのことは、どこかで触れます)
山本夏彦さんは『週刊新潮』で『夏彦の写真コラム』を毎週連載されていたので、読んでいたのですが、1989年に『夢想庵物語』を読んで以来、本屋に行くと『山本夏彦』を追いかけるようになりました。
以下の3つの文章は、山本夏彦さんが発行人を務めていた、ユニークな雑誌『室内』の歴史を追いながらの対談集『室内40年』という著書からの引用です。

わが社には全盛時代がなかった、それだから続いた。『満つれば欠ける』といって全盛時代があれば、あとは衰えるばかりです。それはほとんど、意識的でした。私は、全盛時代を警戒して、避けてきました。

私は、外へ出るのは嫌いだけれど、中で工夫するのは嫌いじゃない。『いかさまの才』の持ち主でね。

私は考えるだけの人、実行するのは別人。幼にして『ダメな人』です。

新しいビジネスを始めようとする私にとって、''世の中というものは''を語っていて共感するのです。



『室内』40年 (文春文庫)

『室内』40年 (文春文庫)